乾燥の原理を分かりやすく解説!
世間には、たくさんの種類の乾燥機があります。使い方によって、様々な乾燥の方法が取られており、その乾燥の原理も様々です。日常でよく目にする食器乾燥機も熱風を利用した乾燥の原理を利用したものであり、洗濯物を天日で乾かすのも、太陽熱を利用した乾燥の原理の一つです。
水分は温度が高いほど、液体(水)から気体(水蒸気)に変化しやすくなります。また、湿度との関係も大きく関係しており、被乾燥物周りが乾燥していればいるほど、被乾燥物に含まれる水分が蒸発しやすくなりますので、乾燥が促進されます。
ここでは、乾燥機によく利用される方法を以下にご紹介します。
真空乾燥
AQMの乾燥機でも使われている真空乾燥の原理をご説明いたします。
真空乾燥とは、通常、水は沸騰する温度は100℃です。しかし、高い山頂など気圧が低いところでは、水は100℃以下でも沸騰します。この現象は、飽和蒸気圧との関係です。真空乾燥では、この飽和蒸気圧の原理を上手く利用しています。
ただし、水の場合ですと、飽和蒸気圧に示される圧力と温度の関係となり、気液界面で気相中における蒸気の分圧が蒸気圧に等しい状態で平衡状態になります。この平衡状態となったときの圧力が飽和蒸気圧であり、日常私たちが生活を行っている場所での大気圧は約100kPa(キロパスカル)ですので、そのときの水の飽和蒸気圧での温度は100℃となります。
このグラフのように、気圧を下げていくと、水は、低い温度で沸騰します。この性質を利用して、真空乾燥では、乾燥機内部の気圧を下げ、水分を温度の低いところで蒸発させて、乾燥を促進しています。
低い温度で乾燥できるということは、乾燥する物自体の温度が高くありませんので、ビタミンなどの熱に弱い成分を壊さず、しかも乾燥する物を焦がすことなく乾燥を行うことができるのです。
真空乾燥機では、温度が低いところで水分を蒸発させ、乾燥を促進するために、真空ポンプといった特殊なポンプを使用し、乾燥機内部をいつも真空に近い状態にして乾燥します。
赤外線乾燥
赤外線乾燥は、赤外線の物を内部から温める性質を利用して乾燥を行います。通常、物を温めるときには、まず、外側から温めていきます。しかし、外側から温めますと、内部が温まるまで時間がかかりますし、物によっては表面が乾燥して硬くなってしまい、内部まで乾燥しない等の現象がおこります。
それを解決するために生まれたのが、赤外線乾燥です。赤外線で温められた物は、水分を蒸気として外に出します。乾燥機の中が蒸気でいっぱいになってしまうと、物は乾燥しません。それは、物の周りの湿度が高くなってし舞うためです。
そこで、送風や吸引などで乾燥機内部の水蒸気を外部に放出し、乾燥を促進させながら乾燥を行います。これが、赤外線乾燥の基本的な原理です。
熱風乾燥
熱風乾燥とは、加熱した空気を被乾燥物に送り乾燥を促進させます。基本原理としては、熱風による熱で乾燥物を温め、水分の蒸発を促進させます。熱風乾燥の場合、被乾燥物は多くは棚などに並べて静止した状態で乾燥を行います。
水分を蒸発させるのに、熱風のみを利用しますので、真空乾燥や赤外線乾燥と比べ、被乾燥物が乾燥するまでに時間がかかるといったデメリットがある反転、構造が単純で製造が安価に出来るというメリットもあります。
最近では、静止した状態で行う熱風乾燥以外にも、攪拌または循環状態での熱風乾燥、コンベア上で移動させながら乾燥させるコンベア乾燥、被乾燥物を入れたドラムを回転させながら熱風で乾燥する回転ドラム乾燥など多くの方式が取られています。そしてその多くの場合が、連続式の乾燥が可能という特徴があります。
マイクロ波加熱乾燥
マイクロ波加熱乾燥とは、日常家庭でおなじみの電子レンジとして親しまれている加熱装置を利用した乾燥です。
マイクロ波により、水分子は振動し発熱します。これは、赤外線同様に内部加熱であり、赤外線とくらべ、水分子に直接働きかけるため、加熱にかかる時間が大幅に短縮されるといった特徴があります。
乾燥機としては、このマイクロ波を利用して、被乾燥物を加熱し、減圧を行いながら乾燥を行うなどの方法が取られています。
他にも、多数の乾燥の方法や、お客様にあった乾燥機のシステムがあります。乾燥機をお探しなら、ぜひ一度ご連絡下さい。お待ちしております。